2014年5月16日金曜日

膝が曲がらない症例

4~5年ほど前から右膝関節が充分伸びず、90度程度からうまく曲がらず正座が出来ない。屈曲運動をするとカクカク音がして時に痛い・・・。いつもカラダが真っ直ぐ立っていないと言われる。

触診すると膝外側の靱帯部の一部が硬く筋状になりコクコクと音を発し、加えて腓腹筋の異常な緊張もありました。座骨を観察すると右座骨が引き上げられ、骨盤が右側へ巻き込まれるように捻れてました。

この部分の筋と言えば【大腿二頭筋】が関係しているのではと推察出来ます。


大腿二頭筋の概要は下記の通り。

大腿二頭筋(外側ハムストリングス)
【大腿二頭筋の起始・停止】
(起始)長頭は、坐骨結節後面に付着 短頭は、大腿骨粗面外側唇下方の1/2
(停止)腓骨頭及び下腿筋膜に付着
【大腿二頭筋の主な働き】
 膝関節を屈曲する 股関節を伸展、外旋する

ここまで観察して膝に関する要点は次の通り
骨盤のひずみを解消し、大腿二頭筋の起始点である座骨の位置を正し大腿二頭筋への抑制を解除する。大腿骨外側上顆に起始点を持つ【腓腹筋】の緊張を改善する。

1回目はカラダのひずみが異常に大きかったので、経絡・内臓調整等を用いて全身の緊張を緩和する調整。(前準備です)
2回目の今日観察するとカラダのひずみが素直な感じなっていたので、骨盤と椎骨を主体に施術。

90度までしか屈曲しなかった膝が40度程度まで改善し、立ち姿が綺麗になり「とにかくカラダ全体が楽です・・・」とのお言葉でした。

どのような症状でもこの程度までは割と早く改善することが多いのです。
問題はここから・・・・。


発症して4年以上経過した症状を改善するのは一筋縄ではいきません。
症状が継続した期間が長ければ長いほど改善への道筋も長くかかりますし、器質的に(筋肉や靱帯・関節など)損傷していれば一定以上改善しない事も当然あります。

複雑怪奇な人体・・・改善への道程は易しいものではありません。